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2012年05月28日

UTMF 後編 #run_jp

ゴールまであと27km。
制限時間まであと8時間半。


途中13kmにウォーターエイドがある。
そこまで4時間、そこからゴールまでを4時間半でいけば
ゴールできる。
そんなにかけるつもりもないしゴールは楽勝だと思っていた。

ところが・・・

第9エイドを出て股ずれのあまりの痛さに走れない。
それどころか歩くことさえままならない。
股ずれの箇所は皮膚が捲れ赤くはれ上がり出血もしていた。
痛みは火傷のようでとても熱く、突き刺すような痛み。
トイレットペーパーをガーゼ代わりに当ててみても
痛みが軽減することはなかった。

途中、僕を抜いていく人たちに心配される。
そして「大丈夫あとは歩いてでもゴールできるから」と
多くの人に励まされた。
またある人からはこれ塗るといいよと
ワセリンを分けてもらった。
もっといっぱい塗りなって。



途中林道に入ると木漏れ日が心地よく、
すでに限界を超えている僕の眠気をさらに増大した。
次々と抜かれていくがもう追いかける気力もなく
ただみんなを見送るだけ。ファイトって。


林道を抜けて自動車道に出た時、
取材の人に「今、最後のランナーですが」と知らされる。
そんなバカまだって僕が第9エイドを出たのは制限時間の1時間半前。
僕が出発する時まだまだ帰ってきてる人もいたし
そして更なる事実を告げられる。
次の関門までギリギリですがと・・・

次のエイドはウォーターエイドだから
関門なんてないと思っていた。
地図を取り出してみると確かに関門11時となっていた。
けどあと5kmを1時間、余裕でしょう?

余裕なんてなかった。
思っている以上に僕の歩く速度は遅く
頑張ってもスピードが上がらない。
残り、20分、15分、10分となるが一向に関門が見えてこない。
遅いなりに僕の歩くスピードも上がる、焦る。

4分前、ようやく関門が見える。

5月20日 10時58分08秒 第2ウォーターエイド到着:142km
(SPLIT:43時間58分08秒 LAP:4時間31分54秒)


関門時間まで2分を切ってようやく通過。
そして関門時間までにエイドを出なきゃいけないようで
あわただしく水を補充してエイドをあとにした。

あと14km、時間は4時間。
普段なら何の問題もない設定。
多少山道でも問題ない。
歩いてでも余裕でクリアできる。

普通なら・・・

すでに50時間以上起き続け、44時間移動し続け、
なんども転倒し、尻もちを付き、ひどい股ずれを起こし
そんな状況ではもう何も予測できない。

ただ一つ分かっていた明らかな間違いは
第2ウォーターエイドでトイレに行かなかったこと。
トイレは河口湖まで出ないとない。
それまでもつか俺の膀胱?



あとは平坦と聞いていたラストも上り下りがあった。
上りでは多少ペースが上がるものも
下りでは極端にペースが落ちた。
後ろ向きで進むなど工夫をしてみるもののどうにもならない。


1時間を残して河口湖まででれればゴールは余裕と計算したものの
実際に河口湖に出れたのは残り50分。
そして僕は数時間我慢しているトイレにも行かなければいけなかった。
トイレの時間を稼ぐためにスピードを上げる。

あと3km、あと2km、、、

永遠のように思えたこの旅ももうすぐ終わる。

が、制限時間ももうそこまで来ていた。
残り1kmを残して時間はあと6分。
もう走るしかない。

痛みを我慢するとかもうそんなものはどうでもよくて
とにかくゴールを。

僕は走った。

うん、体感ではキロ3分くらいのスピードで。
傍から見ればただのジョグ程度だったろうけど。
ゴール前多くの人たちが声援をくれる。

僕は走った。

すでに全てを出し切った身体に
これ以上なにを求めるってくらいに。

僕は走った。

フィニッシュゲートが見えた。

僕は走った。

沿道から歓声が上がる。
ハイタッチを交わす。

僕は走った。



5月20日 14時59分02秒 フィニッシュ:156km
(SPLIT:47時間59分02秒 LAP:4時間31分54秒)







もうちょい続く、、、
posted by Liu at 21:54| レース